愛の日は敵だ!

※姉妹世帯は出てきません。
※悪人プレイにはまえがみさんの自シム リンマイ兄弟さんを招かせていただいております。
※今回マイさんとアンのBL描写が丁寧なので少しでもセクシュアルなものが苦手な方、マイさんを激推しの方はご注意ください。







〇妹が来た


アンに初めての愛の日がやってきました。
恋人を持たない人にとっては大分大きなお世話な日です。
これを書いていて思ったんですが、もしかして愛の日ってヴァレンタインデーみたいなものでしょうか?




アンの住むブリンドルトンベイの上部はちょっとした丘になっていて、浜辺から高架下を潜って森の方へ抜ける必要があります。
おしゃれなその道のりを天気雨に降られながら一人の娘が歩いてきました。


穏やかな日差しの中降る小雨に、テラコッタ宅の牛も心地良さげに小屋から出てきました。


「こんなところに牛がいる……!」
娘は足を止めて牛が雨の中で寛ぐ様子を眺めます。


「ご機嫌なのかな。可愛いな」
その独り言が牛の耳に届いたのか、娘の存在に気付いた牛は彼女の方へと歩み始めました。


「わ、え、ええと」
戸惑う娘が後退るか否か迷ったその時


「びす。通行人からおやつはもらえないぞ」
綺麗なコテージの裏手から家主の一人、リンさんが牛を呼び止めました。


「アンが来る度におやつをやるから覚えたか?」
家主の登場に心なし肩を落とした牛は娘から少し離れて行きます。
娘は牛とリンさんに視線を反復横跳びさせてから、見切り発車のような挨拶を飛ばしました。
「……あ、えっと。あ、おはようございます!」


「ん、ああ……おはようございます。牛が突然寄ってきて驚いたでしょう」


丁寧に応対するリンさんでしたが内心では今の汽笛のような挨拶に些か気分を害していました。



一言話しただけなのに一瞬で付いたこの緊張ムードに神は大爆笑していました。
すみませんリンさん。この娘陽気なんです。


「雨も止んで来ましたね!良かった……。あ、この近くにベレスフォードという人は住んでいませんでしょうか?」


「……彼ならこの奥の坂を上がった先に住んでるよ。何かあるの?」


「え、……いえ、その、えっと、あ、顔を見に来たんです!元気かなって!それだけで……」
「……」
「お、教えてくれてありがとうございます!牛さんも可愛かったです!私、行かなきゃなので、失礼します!」


陽気な割にこの短時間で明らか狼狽えて話した彼女の背をリンさんは訝しげに見送ります。


「(……アンの顔を見に来ただけ?警察には見えないが、返答も歯切れが悪かった。アンとどういう関係かわからないな。後で聞いてみるか……)」
アンもリンさんも犯罪者キャリアなので関わってくる人物にはある程度警戒心が働くようです。


「ヴィヴィアン、こんなに長閑で綺麗な所に住んでいるのに犯罪者キャリアなんだ……」


再び気まぐれな天気が雨粒を落とし始めたので、慌てて娘は丘の上のこじんまりとした物置小屋のような家に駆けこみました。
家の中では家主であるヴィヴィアン、通称アンが食後の皿を洗い終えた直後でした。


「……誰かと思ったら」


「……久しぶり、お兄ちゃん」
よく見ると似た顔の二人は、双子の兄妹、リリアンでした。


「突然来ちゃってごめんね。でも、どうしても顔が見たくて……」


「別に構やしないよ。むしろよく来たな」
自律で愛情をこめてハグをするアンに神は大喝采です。


「俺が犯罪者キャリアに就いたってのは知ってるよな?」
「もちろんだよ!……元気そうで安心した」
「おかげさまでな」


「泊ってくにはベットが足りないけどどうするんだ?と言うかお前手ぶらで来たのか?」
「気にしないで!本当に私、お兄ちゃんの顔が見たくて来ただけなの。元気な姿が見れて、それで十分だから……」
「……お前まさかとは思うけど」


「ねぇ!それより今日は愛の日らしいよ!!お兄ちゃんは恋人できた?」
「できるわけないだろ!と言うかまだそういう気分じゃないんだ。他人の恋心ぶち壊して遊んでる所だから」
「うわぁ最低!でもお兄ちゃんが元気なら何でもいいや」
「いいわけないだろ」


会話していたら突然リリアンが愛の日のモーションをしたと思ったらアンまでジージー回し始めて笑いました。お前そういうキャラじゃないだろ!

「坂の下に良い家があったろ?俺の親友が住んでるから紹介してやるよ」
「え」


と言う事で愛の日のタスクをクリアすべくテラコッタ宅へ二人でやってきました。
アンはいい加減マイさんとの関係に、悪人なりに、けじめをつけるべきです。


お家に着くなり出現した「特別な絆」ムードレット。
この表記は初めて見た気がします。
アンお前、マイさんに恋してるやん……。


「さっき通り過ぎた時は全然気付かなかったけど、何か可愛い装飾ついてるね」
「愛の日だからな。おじゃましまーす」


「え!入っちゃっていいの!?」
「俺〝いつでも歓迎〟持ってるから」
「関係なくない!?」


直ぐにリンさんがやって来て親友の挨拶を交わしました。
「絶対来ると思ってだぜ、マイだろ?直ぐに来るよ」
「うるさいなぁそんなんじゃないって」

この時マイさんが玄関の方からじっとこちらを見ていたのがちょっと怖くて最高でした。
その後マイさんとも親友の挨拶をして、流れるように四人でダイニングテーブルを囲いました。


「今日来たのは別に愛の日だからとかではなくて」
「そうなの?」
「……それは後で話そう。今は俺の妹を紹介させてほしい」


妹か!って顔をするリンさん。
うん。
マジでこの時何でこの表情したんでしょう。すごい可愛かった。


「よう見ると二人ともそっくりやなあ。君たちも双子と?」
「そうなんだよ。俺みたいに目つきは悪くないけどな」


「あ、えっと、妹のリリアンです!リアって呼んでください」


「よろしゅうね。俺はマイ。隣は双子ん弟んリンばい」


「リアさんさっきリンと庭先で会うたやろ?リンがずっと君ん事「アンの何やろう」って気にしとったんばい。謎が解けて良かったばい」


「気にしてたのはマイもだろ」って顔をするバツが悪そうなリンさん。
この時リリアンの自己紹介でまた緊張させちゃったかと思って焦ったのですが、ムードレットの色は普通でした。
セーフ!!!!!


「悪党であるアンの家に行くのに〝元気かどうか顔を見に来ただけ〟って言われたら警戒するだろ?」
「どう見たっちゃ無害そうな子なんに」
「す、すみません私……変に誤解させてしまって……」


「妹は馬鹿素直だから正直に話しすぎて逆に混乱する事はまあある事なんだ。正直なくせに内向的で喋るの下手くそだから余計ね」
「アンの事を兄なんやって言えてたら良かったんかもしれんね」
「そ、そうですね……。でも私、本当に兄の顔を見たら直ぐにお暇するつもりでしたし……」


「ここに来るつもりもなかったけん言わんやったってこと?」
「そうですそうです!」

すると突然アンは椅子から立ち上がり、暖炉のあるリビングに向かいながら僅かに苛立ちをにじませた声を吐いた。
「ダメだ。お前は暫く俺の家に泊っていけよ。部屋作るから(神が)」


「え、あ、お兄ちゃん……」

急に漂う気まずい空気の中、マイさんはアンが立ち上がって隣の部屋に向かうのに流れるように着いて行きました。
ホントに、流れるように、着いて行きました。
そして流れるようにアンの隣に座りました。


「突然怒ってどげんしたと?妹さん、まだ他にも何かあると?」
「……話すと長くなるんだけどさ──」


必然的にこちらも二人きりにされてしまったが、思いの外おしゃべりが続くようでした。

「私、さっき凄く、いや、今もかな……。喋り方のテンションが上手くできなくて、……きっと不快にさせましたよね。すみません」
「いいよいいよ。内向的ならしょうがないんじゃないか?俺はその感情に明るくはないけど、自信がなくても君が話す事を諦めないのは良い事だと思うよ」

内向的なリリアンへアドバイスをくれるリンさん。優しい。


「──だからさ、アイツ急に死んじまいそうで怖いんだよね。またフラッと居なくなるくらいなら危なくても俺のトコに置いておきたいんだ」


「……」
犯罪者キャリアでアンの上を行くリンさんは隣の部屋から微かに聞こえる不穏な話声も地獄耳できそうです。

「あの、……ぶしつけなんですが、一つお願いがあるんですけれどいいですか?」
「ン……、何かな?」


「牛さん、触ってもいいですか?」






「かわいいー!!!!!!(小声)」

先ほど四人で話している時に自分から小屋を出てた牛が、どうにもずっと気になっていたようです。
そっと大きな体を撫でると、牛もリリアンに振り向いてくれました。


「綺麗な模様だね。手触りも素敵。大事にされているんだね」


嬉しそうな牛の声に、リリアンも笑顔になりました。





〇初めてのデート




愛の日なのでロマンチックしなければなりません。
嫌がらせに他者に声をかけまくるのも良かったんですが、アンがマイさんに恋をしているなら話は別です。
ちゃんと気持ちだけは伝えておきましょう。
「惹かれている事を打ち明ける」
毎度おなじみのこのコマンド。
でも神はちょっと断られるところを見たい気もする。
恋愛ゲージも少なめだしどうだ?


「いつも色々ありがとう。マイと居ると凄く心地いいよ」
急に畏まるアン。そんな優しい顔もできるんだね。


「なんね急に改まって。そう思うてもらえるとは嬉しかばってんね」

断られなかったか……。
ナチュラルに受け入れてもらえた事は嬉しいものです。


あ!出た!誘惑されている!!
このモーション結構好きなんですよね。JKみたいで。



「てか今更過ぎ~~ン???」
って感じがすごい好きです。

その後他愛ない事を話しながら、愛の日のタスクをこなすのにマイさんをデートに誘おうか迷いに迷い、迷った末にデートに誘うコマンドを押した瞬間。


目の前にいるマイさんからデートのお誘い電話が来るという。

痺れを切らさせてしまった!!!!!
ごめんなさい!!!!!
行かせていただきます!!!!!!!


その頃の弟妹組。


お兄ちゃん達が家の中でいちゃつけるようになのか家の敷地の外で雲を眺めていました。
そこまで気を遣わなくてもいいよ。


木漏れ日の下で木々の間から覗く空は、きっととてもすがすがしいのだろうな……。







ワンニャン酒場はすっかり行きつけになってしまいましたね。
とりあえずこれもまた超今更ですが服装を褒めておくアン。

「そういえば今日も素敵だね」

適当が過ぎませんか。



あろうことか席を一つ空けて座る二人。
何でや!!!!!!
絶対そこ誰かに入られるじゃん!!!!


ほら入られた!!!!
ドミニックさんこんばんは、暫くこの二人のデートにお付き合いください。


とりあえずアンのお気に入りのドリンク、リッジポートを二つ頼んでおきました。マイさんがこれを嫌いじゃないといいんですが……。


何故かはわかりませんがとても機嫌がよくなっています。
ここで神は一つ気になっていたコマンドに手を掛けました。


「恋を公言する」


歌ってるのか??めっちゃハートが出まくってて可愛いです。
ドミニックさんが挟まれてる事なんか全く意に介していませんね。


リアクションがめっちゃ可愛い。
このマイさんが見られただけでもこのコマンドをして良かったとしか言えません。


ハートがゲシュタルト崩壊しそう。むしろ噎せない?大丈夫?
からの──


スンッ……。
ここまで全力の( ˙-˙ )スンは初めて見ましたよ!!!!!
やってから「俺何やってんだ」って後悔が押し寄せてきたんでしょうか。
恥ずかしくなっちゃった?
ごめんね、神の意向です。


間に挟まれてるドミニックさんも何とも言えないお顔をされています。
そこに座っちゃったんだから諦めてください。


マイさんはずっっっっっっっとアンの事を見てくれています。
ああ綺麗なお顔。優しいお顔。


羞恥心を隠すようにカクテルを仰ぐアンに、マイさんも一緒になって飲んでくれました。


ハイパー虚無っているドミニックさんがアンに話しかけてきました。
「君この間うちの家に何の用で来ていたのかね?」
「娘さんと少し喋る為ですよ。(無礼な)自己紹介しておきたくて」

ところでこのスクショに映ってるコマンド。
「結婚について話す」

早い早い早い早い

落ち着いてくださいアン。


人が集まりすぎてマイさんとおしゃべりできなくなるのが嫌だったので、ジュークボックスの前でダンスする事に。
お店のオーディオでダンスしたいというアンの願望を叶えつつ、恐らくデートタスクにある二人でダンス、もしくは陽気をクリアさせておきます。
相手から誘われたデートってタスクが確認できなくて怖いんですよね。
失敗は許されません。

さてそろそろ、愛の日のメインイベントをしましょうか。
周りに人がいる中でしたくなかったので、二階に上がってもらいました。
トイレの前の廊下が広くて助かります。


「デート、誘ってくれてありがとうマイ。ずっとどうしようか迷ってて、ごめん」
「また急になんね」


「心ばかりのお礼の気持ちです」


「一輪だけ持ってくるって斬新やなぁ」


「……って普通ここはバラん花なんやなかと?」


「細かい事は良いんだよ!これで俺の愛の日のタスクがまた一つクリアだからね!」
この野郎。



でも気に入ってもらえなかった事をちょっと悲しんでいます。
まあそうでしょうね。
すると突然笑いだすアン。


「はは、わかったよ。じゃあ今度はバラね」


「タラーン!」


「そげなことやなか!!!」
こちらも当然の反応です。
そして横顔からもわかるアンの冷めた表情。この野郎。
しかしまだ彼の愚行は続きます。


「じゃあこっちのバラにしようか」


「楽しんどーね!!!」

とうとう通知でもマイさんから指摘される始末。
でも最後のバラが功を奏したのかマイさんが超誘惑的になっていました。
優しい。


「別に俺だって遊びたいわけじゃないんだけどさ、イマイチ真剣に接しようとすると発作でふざけちゃうんだよ、ごめん」
「……なんかなしそげん事やろうとは思うとーばい」
「恋愛したくない訳じゃないんだよ。俺だってまた、……いや今度はちゃんと幸せになりたいと思うし」
「……なんね?」


「俺、前の婚約者に裏切られてさ。妹が産まれたから世話の為に実家に帰るって言ってたのに、いつの間にか隣の家の女とデキてたんだ。結婚して子どもも居てさ。俺の今まで何だったのってカンジ!」


「さらっとエグイ事言おうもん!こげん空気で言う事でもなか!」
「良いんだよ。俺はもうアイツの前で居た時みたいに善人な男じゃないから」


「マイは優しくて好きだよ。俺が今まで接してきた奴等とは全然違う。優しさなんてただで他者から貰えるものじゃないと思って生きてきたから気にしてなかったけど、マイの眼はいつも穏やかで凄く素敵だと思う。気にかけてくれてありがとう」


「もしかして今アンが悪人なんは、裏切られたことによる反動ってことなんか?」
「まあ、そうだよ。忠実なシムも結局裏切りに走れるなら、他人に優しくあろうなんて馬鹿馬鹿しくてやってられないさ」


どれだけ笑い飛ばすように不幸を口にしても、同じように笑い飛ばさずしっかり聞いてくれるマイさんに、水面下で心が揺れ動くアン。
交際を申し込むコマンドが出てきてしまっている。


「……ッ、だから、マイの事は好きだけど、今は付き合えないんだ」
「今はってなんね!」
「今は……、悪人として遊び歩かなきゃいけないから、とにかく、今以上の関係になる気はないって事」


「悪人しとらないかんなんて、おかしなこと言いなや!」
「悪人で居るくらい振り切れないと俺は過去の俺をずっと抱えて生きることになる。過去の俺を無かった事にできるくらい、俺は俺を捨てたいんだ」





〇ファーストキスと言うには苦すぎる




ここでデートが終了し、愛の日のタスクを全部クリアしました。
空気を読めないSimsが好きです。


アンの中にあるマイさんへの気持ちが、抗えない恋心が確かなものになってしまいました。
それでも「今はダメだ」と繰り返すアン。


「悪人になりたかって言いよー時点で悪人やなか。アンが俺と付き合わんのは、他ん人ば誘惑して遊びたいからやろう?ばってんそれも自分の中で決めとー悪人になる為のノルマん話で、俺ん事ば傷つけとうなかけん今はダメって言いよーわけだ?」
「……ッ」

丁寧に論破されてしまいそうで、アンは取られた手を思わず振り払いました。


「わかってくれたなら!……もういいだろ、デートも終わったんだ。帰ってくれよ」

自分から帰らない所がまた甘いのだと、マイさんにはわかってしまいました。
相手に選択肢を与えるのは、優しさ、甘さでしかないのです。


「俺が大事ってことはわかったばってん、それが口先だけでなか証拠はあるか?」


「悪人になりたかとに優しか俺ん事が好きで諦められん、そげん弱かお前は、俺が待っとー間俺に何ばしてくれる?」

アンは言い返せません。
優しいマイさんに中途半端な悪人の自分にできることが思いつかないのです。


そればかりか、真剣な表情のマイさんが距離を縮めてくる事に緊張して強気に振舞う姿勢すら崩れかけていきます。


「待って……、ちょっと待って」


「今は待たんよ」


じりじりと壁際に追いやられても、アンはマイさんを押し返すことができません。
彼の真剣に燃える緑色の瞳でさえ、見つめ返せません。


「……そげん嫌と……?」


苦し気に眉を顰めて、それでも否定を示すように首を横に振るアンに、マイさんの中でどうしようもない気持ちが圧し上がっていきます。




目が合ってしまえば最後、本当に逃げられないとわかっていたのに。


















〇一つだけの約束



アンは自身の出勤時間がとうに過ぎている事に気付いていましたが、与えられた唇の誘惑に勝てるはずがありません。





不意に双方の視線が合わさり、愛おしいと目で語り合っていた時。

アンのスマホが鳴り響きました。



「……仕事行かないかんね?」
「……うん」


アンはキスの余韻に浸りたいところでしたが、有能な右腕であるので威厳の為にこれ以上遅刻はしたくありません。
離れたくないと感じる心を捨てて、マイさんから無言で離れて行きました。


掛ける言葉はもう双方に残っていません。
片方は背を向け、片方はその背を見送るしかできないのです。


暫く立ち尽くしていたマイさんは、不意に深く息を吐きながらその場に腰を落としました。


「アン、ばり俺んこと好いとーね……」


階下で流れるオーディオの音楽と楽し気な声が耳に入ってきました。
今まで全く気が付かなかった騒がしさが、内心の熱情を撫でて行きます。

「こげなともどかしゅうてたまらんばい……」




「……あの、さ」


「!?」

とっくに酒場を離れたと思っていたアンが階段から弱弱しくマイさんを呼びました。


「……俺、どんだけ遊んでも、……キスだけは誰ともしないから。……約束する」

消え入りそうな声でそう言い残し、アンは今度こそ階段を降り切って酒場を後にしました。
残るのはマイさんの脳内で反芻される、先ほどのアンの言葉だけです。















「こげん話、リンにもできんばい……」










 








( ゚Д゚)
はい!!!!
ここまで読んでくださった方、お付き合いいただきありがとうございました!!!!!!
正直最高に楽しかったです今回!!!!!!
次回はまた通常の書き方になります!!






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