敵の敵は敵だ!





※こちらは悪人プレイ本編に直接的には関わってこない、ギャングワイフの二次創作短編小説です。
※悪人プレイにはまえがみさんの自シム、セルヴィス親衛隊様を招かせていただいております。
※まえがみさんの自シム様との恋愛描写やウザ絡み、上のスクショに出てくるデフォルトシムの設定捏造がありますので、激推しの方はご注意ください。
※暴力、犯罪を助長する意図は一切ありませんのでご理解ください。












サンマイシューノの高層マンションの中でも一等極上の見晴らしを有するスパイアーアパートメントの最上階。
外壁がほとんど窓ガラスという高所恐怖症には地獄のようなデザインではあるが、素晴らしい景観をいつでも全方角惜しみなく堪能できると言えば聞こえはいい。
全三階からなるその部屋に贅沢にも一人で住まうのは、裏社会を牛耳るギャングワイフのボス、アーチー・エヴァンズである。


「……どうした、お前が俺に頼み事とは驚いたな。先日の話がそんなに気に入ったのか?」

最上階の廊下から吹き抜け下の二階を見下ろし、彼は友人からの電話を楽しんでいるようだった。

「構わない、何なら祝い金として協力してやってもいいぞ。相手は紛いなりにもセレブだからな。……───俺からの祝儀代わりだと言っているんだ、そう訝しむなよ」

からかっている事を隠しもしない陽気さで低い声が笑う。通話口から漏れる電子音に変換された相手の声は、対照的に些か深刻そうにしていた。


不意にスマホを宛てがわれていない方の耳へ、自身以外の肉声が入り込んできた。
「お待ちください」と半ば叫ぶような余裕の無い女の声と、それを無視する乱暴な靴音。

「……すまんが切るぞ。行儀の悪い客が来たんでな」


そう言って通話を切ったアーチーの表情は明るく、彼は憎たらしさを孕んだ笑みを浮かべて手すりから身を乗り出すと階下に現れた細身の男の背中に声をかけた。

「死んじまったせいでドアを通り抜けちまうのか爺さん。ノックしてくれなきゃ歓迎できないぞ」

頭上から降ってきた皮肉めいた軽口に対して恨めしげに振り向いたのは、アーチーが此処に越してくるまでギャングワイフのボスだった、ジャック・ビジャレアルだった。


「お前の目は節穴なのか?この立派な両足が目に入らねぇか」
「木の枝かと思ったよ。すまないな」

ちっとも済まないと詫びる表情ではない笑みのまま、アーチーは肩を竦めて見せた。そして細めた眼で瞬時にジャックの周囲を確認する。
先程ジャックを引き止めようとした声の主はドライバーを務めているアーチーの部下だ。大方此処にジャックを連れてきたのも彼女だろう。
そしてジャックから二三歩距離を置いて此方を伺っている人物達は、以前ジャックがボスを引退した際に解雇した面々だった。

「……アンからお前が生き返ったとは聞いていたが、本当だったらしいな。だが今さら戻ってきてもギャングワイフは俺のモノだ、用件がソレなら古株と一緒に速攻お帰りいただきたいが」
「OBってのを知らねぇのか?……タイミングが良かっただけの若造が、調子に乗り過ぎるなよ」
「何の用だって聞いてるんだ」
「……アンの御礼参りをするつもりだろうが、聞けばソイツは揺すり甲斐のあるカモにもできそうだからよ。俺も可愛い息子に祝儀を寄越してやりたいのさ」
「………何だと?」

ついさっき友人と話していた内容をジャックが口にしただけに留まらず、稼ぎのネタとして情報を提供すると言うのだ。


アーチーは微かに眉を顰めると眼下で意地悪く笑むジャックを見据えた。

「随分殊勝な提案だが、それを信じるメリットは俺に有るのか?」
「お前にはコレっぽっちもないかもな。言っただろ、俺は俺を生き返らせた従順でいたいけな可愛い息子に祝儀を用意してやりたいだけだ。現ギャングワイフのボスであるお前を介さずにアンに直接取り分をやったっていい。むしろその方が気分が良いな!俺にお前の顔を立てる理由もない!」

ジャックが言葉の通りに機嫌よく声を上げれば、古株達はアーチーの面目を思い鼻で笑い出した。階下と階上の空気が一変して真逆になり、アーチーは当然面白くない。


彼は舌打ちが今にも出そうな顔で小さく首を振ると、いつものマスクを被ってから次には手すりを越えて飛び降りた。

「コッチは依頼されてるんだ、同業に勝手にターゲットを揺すられちゃ困るんだよ」
「そうかそうか!なら情報を共有しないとな」
「……聞くだけ聞いてやる」

マスクのせいでくぐもって一層低いのか、機嫌の悪さを物語っているのかは定かでは無いが、アーチーは唸るような声音でジャックに座って話をするよう促したのだった。











───────




「大晦日に俺だけ仕事とかさー……」


アンは渋い顔でそう呻きながら、今まさに玄関から出ようとしていたマイを引き止めて寄りかかる。既に外に出ていたリンは階段下から開いたままの扉腰に二人を見返して笑みを向けた。

「だから残された俺達三人が寂しくないようにってボスが年越しパーティに招いてくれたんだろ?」
「ソレおかしくない!?仕事で一緒に居れない俺が一番寂しいに決まってるじゃん!俺も休みにしてパーティに参加させてよ!」
「ボスに言ってくれー」


リンの傍で同じく不憫な兄を見つめていたリアは、何か思うところがあるのか不安気な顔で彼の腕に手を添える。それに応えるようにリンが振り向いて優しく微笑むと、リアは合わさった視線に安堵して表情を緩めた。


「絶対早く上がって連絡するから、その時に居る場所教えてよ」
「絶対ばい?」
「……抜けれなくても最悪日付け変わる前には電話する」
「……待っとうよ」

アンを優しく抱き締めるマイの腕は、離れ難いのか微動だにしない。それをわかってか寂しいと口にした張本人のアンが、自ら名残惜しげに体を離してマイの頬にキスをした。見送る合図だ。

「美味しい料理が出たら写真送って……いや、やっぱお腹空くからいいや、後で見せて」
「わかった」

閉じられていく扉からこちらを覗き続ける緑の瞳も失せた後、アンは一人ため息をつくとリビングの方へと入っていった。













───────






デルソルバレーのスターライト大通りにあるスタジオPBPは、ある程度知名度の高いセレブでなければ入れない。入口には警備員が配置され、一般人が許可なく立ち入る事は許されない。


「俺、今日此処でカーリーと商談があるんだけど、通してくれない?」
「そのカーリーさんをこの場に呼んで御説明いただかない事には通せません」

例え連れがトップレベルのセレブでも、警備員との交渉が上手く行かなければ共に入店する事も叶わない。こうしてまた一人また一人と真面目な警備員によって突き返された人でPBPの入口は賑わっていく。

「やあ、もしかして貴方はベルナーさんじゃありませんか?」


厳重に護られた豪勢な扉の内側から、サングラスを掛けた顔色の悪い、しかしどこか品のある青年が困り果てていた男に声を掛けてきた。

「すまない警備員、彼はウチが呼んだ客でね。通してやってほしい」
「は、はい。どうぞ」

警備員は青年の顔を見るや否や身を縮めて顔を伏せると封鎖ゲートから退いた。

「さあ、こちらへ。席へご案内しますよ」

警備員の怯えにも似た反応に些か気を取られながら、ベルナーと呼ばれた男は青年に促されるままその背中についていった。
バーカウンター周辺や、公演用のステージ、クラブ席のようなソファには大晦日ということもあり名の売れた面々が愉しげに談笑している姿が目に入る。


「ベルナーさんの席は二階になります」

階段の脇で立ち止まった青年は屈託ない笑顔でそう男に告げた。男はどうぞと先を譲られて素直に階段を上がっていき、横目に見えたソファに座る女性が「カーリー」だと気付いた為に判断が遅れた。


「よく来たな」


男を待っていたのは「セレブのカーリー」ではなく、彼女の上司であるギャングワイフのボスだった。もちろんそんな事を男は知る由もないが、並々ならぬ雰囲気の顔並びを見れば自ずと察する事が出来た。
思わず視線が階段に移り、逃げの体勢を取ろうとするも、そこには白く光る眼を持つ顔色の悪いヴァンパイアが立ち塞がっていた。

「挨拶も無しに逃げようとするなよ。〝商談〟に来たのは本当だ。座りたまえよベルナーくん」

アーチーは穏やかに優しい声を掛けているが、マスクのせいで籠った声音は幾分か不鮮明でいつもより低く聞こえてしまう。男、ベルナーはその声に酷く怯えてしまっており、緊張した面持ちで不自然に用意されたダイニングチェアへと腰を落とした。

「最近君の歌をCMなんかでよく耳にするよ。売れているのかコネなのかは別として、耳障りは良い」

「だったか?」と、アーチーは不意に自身の背後に立っていた部下に振り向いた。部下は瞬時に頭を垂れると囁くように「私個人の感想です」と答える。つまり彼自身はその曲を全く聴いていないと言う事である。


ベルナーは謝礼を言いかけた口の形で固まり、反応を決めあぐねた。

「まあいいか」

アーチーは戸惑うベルナーの思考を他所に、やや身を乗り出して首を傾げる。


「本題に入る前に少し世間話でもしよう。……ヴィヴィアン・ベレスフォードは知っているか?」

アーチーが本気で「世間話」をしようとしていない事くらいはベルナーにもわかっていた。わかってはいたが極度の緊張状態に晒された彼はその意図を読み取ろうと必死になりすぎて混乱し、再び判断を誤ってしまう。

「いえ、知らな───」



鈍く、それでいて固い打撃音がして、彼の体は背もたれが破壊された椅子ごと冷たい床へと倒れ込んだ。彼は何が起きたのか理解こそ追いつかないものの、腹部と背中の痛みに苦悶しながら近づいて来る荒い呼吸の気配から後退る。
ベルナーを椅子ごと蹴り飛ばしたのは、アーチーの横で静かに座っていたマイだった。


「嘘をついているのか、本当に覚えていないのかわからんが、その答えは流石に浅はかだったな」

アーチーの声は笑みを含んでいた。

「お前がイグナと婚約中に浮気相手に選んだティーンだろう。忘れたのか?」
「ッお、覚えてます……!でも浮気じゃない!あれは」
「随分な不祥事だ。イグナの実家から芸能活動を支援されているのにコレが知れ渡ったら」
「違う!ヴィヴィのこ───」



今度の打撃は乾いた骨の音がした。
殴られた頬は瞬時に赤黒く染まり、口内や唇が切れたのか口の端々からは血が滲み始めている。

「お前がアンを〝そう〟呼ぶのは良くない。今はマイだけに許されているからな」
「…………何で知っとーと?」
「おっと失言した」


深く息を吐きながら無表情を顔に貼り付けたマイの鋭い視線に、アーチーは思わずマスクの中で目を逸らす。

「……かれは、保護しただけで、浮気では、」
「ほぉう。此処にお前がアンに買った婚約指輪の購入履歴とアンが質屋にそれを売った時の証書が有るんだが」
「…………」


アーチーの言葉に従ってリンがこれみよがしに該当書類を机の上に置くと、ベルナーはいよいよ顔を伏せて押し黙るしかなかった。

「……イグナとは愛し合っているんだ。そんな、過去の事を蒸し返されても……」
「今愛し合っているから過去の事は帳消しか?……そんなに愛に自信があるならそこに居るから直接聞いてみるか?」
「……え?」


ベルナーが血の気の引いた顔を上げてアーチーを凝視すると、彼は向こうだ、と二階の奥へと指差した。よろめきながら立ち上がり指の先を追って確認すれば、奥のソファに妻のイグナと肩を寄せ合って座る男の姿が目に飛び込んできた。


「な……え……?」
「俺の友人がお前の奥さんをいたく気に入ってね、今日は特別に同伴で招待させてもらったんだ。もちろん娘も来ているよ。部下が今頃寝かしつけているだろう」
「……そんな……、近所の人とパーティだって……」
「それで?割行って来るか?」
「……そんな……」

ベルナーは膝から崩れ落ちると、すっかり放心した顔でうわ言のように繰り返した。マイを除くギャングワイフの面々は、彼に起きた悲劇を思って顔を見合わせて嘲笑っていた。


「…………いくら、払えばいい……」

項垂れた姿勢のまま絞り出された声に、アーチーはわざとらしく手を叩いて喜んでみせる。

「話が早くて助かるよ。やっと〝商談〟に移れるという訳だ」

不意にマイが動き出し、ベルナーは反射的に肩を跳ねさせて蹲った。しかしマイは小さくなる彼に見向きもせずに階段の方へと歩もうとしていた。

「……俺の用は終わったばい、帰る」
「もう満足か?」
「……」
「一つプレゼントがある、受け取れ」


マイがアーチーを振り返ると、アーチーはおもむろに何かを投げて寄越してきた。それを片手で捕まえて見ると、どうやら家の鍵のようだった。

「前金としてコイツの貸家を貰っておいた」
「……俺の家を?」
「何だ?その分少しは安くなるぞ。なんたって屋上にはロケットの発射台があるからな」
「…………好きにしてください……」

マイは鍵を暫し見つめてからアーチーに向き直る。

「俺の好きにしていーと?」
「もちろんだ。……おいカーリー、マイを貸家まで送ってやってくれ」
「承知致しました」
「……マイ、カーリーは魔法使いだ、上手く使えよ」



エリオットの会釈を横目にマイは鍵を握り締めながら階段を下りていく。随分と真剣に貸家の使い道を考えていたせいで入れ違いに階段を昇ってきた人物達の不穏さには気付かない。

「調度良い時に来たなジャック。これからやっと〝交渉〟しようと言うところだ」
「奴さんは既に随分とボロボロだな」


ジャックはアーチーの一つ隣に座り込むと床に膝をつくベルナーを一瞥し目を細めて鼻で笑った。

「……ジャック……?」

ベルナーが何かに気付いて怪訝そうにジャックを見上げ、瞬間、これまでになく怯えた表情で後退る。


「ジャック・ビジャレアル……!ギャングワイフのボスは死んだはずじゃなかったのか!?」
「……へえ。俺の顔と名前と職業まで知っているとは恐れ入る」

それは少なからず表舞台では決して回らない情報であり、つまり、それはベルナーが裏社会に属したシムである事の露見であった。


「……さあ、ゆっくり話をしようか」














───────



電話のコール音一回目で、相手は通話を開始した。


『アン?仕事終わったと?』
「今最後の仕事してるトコだよ!指定の場所で人を拾えって言われてさ、それが終わったら帰って良いって!」
『それなら日付が変わる前には家に帰れそうやね』
「そう!だから電話した。マイは?今どこ?」
『俺は───……』


マイの眼前には、燃え盛る家があった。
大晦日な事もあってか近所のシムは各々家の中で盛り上がっており、おまけに雪が降り始めたおかげで音が吸収されていく。誰にも気付かれない中、マイの目の前でそれはそれは静かに炎を燻らせて踊り狂う火が、忌々しい、知り得もしないアンの過去の思い出達を焼き尽くしていた。
ここまで送ってくれたカーリーは少し前にマイの願い通り家中に火を放ってから、アーチーに呼び出されて箒で帰っていった。


『マイ?……マイー?』

急に黙ってしまった事を心配してなのか、何度も呼び掛けてくるアンの声が酷く愛おしく感じて耳を傾ける。傾けながら、マイの視線は家を通り越してどこでもない遥か遠くを見ていた。


いくら思いを馳せようともこの家で起きた事は覆らない。アンとあの男が育んだ時が確かに存在していた事も消せはしない。
それでも。
跡形もなくその面影を葬る事ができるのなら、放火だって厭わないのだ。
もうこの家にアンが帰ることはないのだから。


「マーーーーーイ!」

聞き慣れた声がすぐ背後からしたかと思えば、視界を後ろから塞がれてしまった。ここまで彼が走ってきた事が容易にわかってしまう浅い呼吸音と共にマイの耳元に熱く吐かれる息が掠める。

「だーれだ」
「アンしか居らんたい」
「正解!」


悪戯げに笑って抱きついてくるアンに、マイは緩く笑み返して抱き竦める。

「仕事ここん近うやったと?」
「うーん、というか、多分マイの事だと思うんだよね」
「俺?」
「拾ったら帰っていいなんて命令、よく考えたら家に一緒に帰るって事じゃん?ボスからの指示だし、そこに居たのはマイだし、絶対そう」


マイは何故か得意げな顔をするアンの頬にキスをすると、お互いの顔が思った以上に冷えている事を知る。その冷たさと雪が二人の周囲の音を消してくれるおかげで、外だと言うのにアンを独り占めしている事を実感できた。唯一の邪魔者は炎によるハイライトな明かりだ。案の定アンの視線は直ぐに赤いソレに向かってしまった。

「遠くからでも燃えてるなって思ったけど、もしかしてマイが焼いたの?」

火を付けたのはカーリーだが、それを願ったのはマイだ。しかしそれを説明しようとすると彼女の名前を出さねばならず、いささか癪に触る。マイは感情の読めない表情でアンを見つめながら「そうやと言うたら?」と静かに唇を震わせた。


「?……もしかして火を付けたの後悔してる?」


アンはマイの真顔に気圧される事無く、むしろ無邪気に首を傾げてみせる。

「後悔はなかばい。むしろ良か気分やし」
「なら良いじゃん!」

マイのどこか不安気な様子を汲み取るようにアンは彼の頬に手を添えて見つめる。


「マイがしたくてした事で後悔も無いって言うなら、それはマイにとって正解だったって事だ。俺はそう思うよ」

そう言いきって微笑むアンを愛おしく見つめながら内心で「この家が何の家かわかってないな」と察するマイ。その上で先の言葉が出てくるアンが愛しくて堪らないのだ。倫理観など端から破綻している悪人のアンが、己の愛情に全力で振り切って「良い事だ」と言うのがあまりにも可愛い。


「良いなぁ、俺も家焼いてみたいな……」
「焼きたい家でもあると?」
「え?いやそんな事はないけど……」

綺麗じゃん、と彼が口をつく前にマイはアンの目を覆う。この家にアンからその言葉を添えられるのは気に入らない。

「なぁに、家にまで妬いてるの?」
「……ヴィヴィ、その家に覚えはなか?」
「!」

呼ばれた愛称に体を一瞬竦ませたアンは、マイの手を取りながら訝しげに周囲を見回した。それから気付いたように目をみはり、マイへと振り返る。そんな彼の口角は緩い。

「ホントに家に妬いて家を焼いたの!?」
「……」
「マイー!!!」


叫ぶように愛しい人の名を呼びながら、アンはこれでもかと言う程破顔しマイに抱きついた。


「最高の大晦日だよ!愛してる!」
「俺も愛しとうよ……」






どちらともなく唇を重ねてその温度を分け合う。もう家が燃えてる事さえ無機質な背景の一部に溶け込んでしまう。そればかりかロマンチックなイルミネーションにさえ見えてくる。それだけ長い間、お互いの熱を伝え続けていた。

「……家に帰ってゆっくりしよう。それで満足するまで寛いだら、結婚式の計画を立てよう」
「よかね」


お互いの冷たい額を合わせて笑い合う。もうこんな所に用は無い。
温かなアンの手を引きながら、マイは家路につこうと歩き出した。











Fin.























────


厄払いのお焚き上げです。

嘘です。家焼いてみたかっただけです(?)。
実際はマグマの煙と炎エフェクトで家を覆っているだけで燃えていません。
燃やすとシムはパニックになりコントロールできなくなりますからね!
火事を見つけた際は速やかに消火活動、消化できないと判断した際は消防車を呼んでください。
現在ご家庭には主要な部屋に火災報知器がついているかと思われますので、警報が出た際は安全に対処してください。(何の話)

今回の記事は先にお話を書いてからスクショを後撮りして挿絵代わりに貼るという、完全なる掌編小説の形となりました。
きっかけは前回の記事を読んでくださったまえがみさんが、ありがたいことに「マイさんは今でも元カレ殴りに行きたいと思ってそう」という素敵な(?)リプライをくださり、「これは御礼参りするっきゃない!」と謎に勝手に奮起した次第です。
途中皆さんも気付かれたと思いますが、「お前これ撮りたかっただけやろ」がフォルダに数枚ございます。これ撮りたかったです。はい。満足です。
真顔が怖い人大好き!!

今回はアンが悪人というよりサイコパスみたいになってますね。おかしいな。
悪人プレイの主人公ですが出番数で言うと一番撮ったのはボスです。
この記事で一番喋っているのもボスですね。
先日公開されたボスの元ネタの記事があまりにも魅力的で憧れが限界突破してしまいました。
夢見すぎ!ってお叱りは覚悟の上です……。
ボスの顔好きすぎてギリギリまでマスクしない感じにしてしまった……、前までは御尊顔が!!とか言ってたのに……。セクシーなのがいけないんです。

リンさんはボス職のトップから一つ下の知能犯なので、今回はクールな立ち位置を極めていただきました。因みに一緒にパーティ(という名の脅迫会合)に来たはずのリアはイグナさんの娘さんを相手しているという設定でこの場には居ません。
リンさんずっとクールなんですけど、実はイグナさんとイヴィーさんが手前になったスクショをよく見ると顔を覆ってらっしゃいまして、これ椅子Poseのアニメーションのタイミングでたまたまそうなっただけなんですが、「いや浮気現場が隣とかツラ」って感じで面白くてそのままにしました。

イヴィーさん!!!!!ホントは喋っていただくはずだったんです!!!!!
凄く悪い顔をしていただくはずだったんです!!!!!
裏設定では彼がイグナさんを口説いたのはジャックさんの差し金という事になっています。
ボスではなく、ジャックさんです。
何ならジャックさんがイヴィーさんに近付いたのは冒頭のボスの家に押し入るずっと前で、その時から既にクソッタレ男をカモにする下準備が始まっていたのです。
その展開も入れたかったんですが話のバランス的に蛇足になりそうでできませんでした……。能力不足……。
悪のキューピッドなイヴィーさん本当に大好きです。



解釈違いとか、ここは!こうであってほしい!というとこありましたら何なりとお申し付けください!!






〇使用Poseサイト様とエフェクト機能アイテム

BERLIN(表情、カップルポーズ)
simmireen(カップルポーズ)
Natalia-Auditore(無慈悲な暴力ポーズ)
sciophobis(寄りかかり、目隠しポーズ)
Dear kim's Sims(立ちポーズ)
Helgatisha(立ち、椅子ポーズ)
Qian(椅子ポーズ)
Maylily(車ポーズ)
Sim-plyreality(会えて嬉しいポーズ)
Joannebernice(床に伏せるポーズ)
Moon Blue(肩を抱くポーズ)
Katverse(飛び超えるポーズ)

エフェクト機能(概要欄にModへのリンクがあります)

具体的なのはポーズパックの中の一個しか使わなかったり、異なるパックと組み合わせて使ったものです。



撮ったけど多くてTwitterに載せきらないスクショもここに置いて行きましょう。




〇ギャングワイフ(アンを除く)

ストーリーを描くにあたってコンセプト的なスクショを撮りたかった産物です。



そういえば神(おれ)にクリソツな分身の分身、背もたれにも出番がありませんでした。
彼は脅されて「ここでカーリーと話ができる」ってクソッタレに電話をかけさせられ、クソッタレはまんまとおびき出された感じです。
背もたれを脅したのはボス(という設定)です。



持ってるパックのデフォルトシムで悪人さんを探しました。
少なくない…?????
三者三様で素敵です。


デフォシム悪人が余裕の体勢で座る向かいには、足を組んで寄せ付けない意思を持った三人が座ります。


ボス!!!!!
アーチーガールズ程ではありませんが、やはり華がほしくなるので後ろの女性二人を配置して良かったなと常々思います。


今回のキーパーソンの一人なので、重役席に座ってもらったマイさん。


顔がいい!


新旧ボス。
……ジャックさんが若く見えるのは気のせいではありません。
実はこの撮影は悪人プレイのワールドではなく姉妹世帯のワールドでしているため、悪人プレイデータから総勢14人を移してきたんですが、何かその時にジャックさんとフェンさん若返っちゃったんですよね。
魂二個分で生き生きしちゃったかな。


紅白で縁起がいいですね!!!!






めいこさんの素敵なクリスマスカフェ!

クリスマスのTLは大変素晴らしいものでした。
悪人プレイ世帯はまだ冬にも入っていませんが、クリスマス気分を味わおうと共有された素敵なカフェで、きょーぎんさんの素敵なツリーを付けて雰囲気を味わいたいとやって来ました。(相互フォロワー限定のアクセになります!ありがたや!)





壁の絵を見て楽しそうな二人。


通常運転でした。


お兄ちゃんズはお外で景色を堪能しています。


モデルポーズなのに何か面白いものを見たようなショットで自然。
高みの見物ですね。



外は寒くてみんな出てこないので気軽にイチャコラできます。
しかしホントこのリボンかわいい!!!!!!
プレゼント型のカフェって最高におしゃれです。


リア以外みんなやる気なさげな顔で撮られている。
ツリーのせいでただの浮かれカップルにしか見えません!!かわいい!!


カメラどこにあるの?って顔してるリアが可愛い。
ポーズとってもらうまでリンさんがこんな表情になると思ってなかったので、とても幸せそうでにんまりしてしまいました。


カメラ目線で撮ってないのはおれが例に漏れず恥ずかしいからです。


なかよし。
この日はアンが仕事だったので、夜までいれませんでした!!
また夜のカフェも堪能しに来ます!





〇ストーリーの挿絵に使われなかった没スクショ。



これの理由は御分かりですね。
うっかりボスの顔がクソッタレにお披露目されてしまうところでした。
「ボスかっこいい~~~~!!!!」
とか言ってはしゃいでた自分を殴打して撮り直しました。


殴った後のショット。
マイさんはこれ何のポーズもとってないんですけど、気だるげな立ち方とクソッタレに向ける視線がパーフェクトでした。
使い道なかったけど!!!!


殴られたクソッタレとマイさんの背中を見る面々。
向日葵が「頬いたそ~」と笑い、「容赦ないわね」とカーリーが苦笑しています。
リンさんは視線こそ向かないものの笑んでいますね。
いい雰囲気なのに、使いどころがなかった。


車を運転するアン。
車内なので帽子を取っている為わかりにくいですが、犯罪者キャリアの服を着ています。
乗っているのはベントレーです。



後ろで燃えてる家より熱い視線の往復。
結婚式場、もうちょっと探させてくださいね。



スライドショーができました( ゚Д゚)
暇つぶしにどうぞ。







と言ったところで!
これを持ちまして2022年最後の記事にしたいと思います!!
10月下旬のゲームプレイ再開からほぼ毎日プレイして大変楽しかったです……!
ツイッターでもたくさんの方とお話しできて幸せでした!
年末年始はPCにすら触れない事が多いと思いますが、また落ち着いたら、というか多分我慢できないのでプレイを再開して記事を書いていきます!


このサイトに訪れてくださる方!
様々なMOD、CCクリエイター様!
本当にありがとうございました!!



来年もよろしくお願いいたします!

良いお年をー!







人気の投稿